乳歯、永久歯、歯並びとむし歯の関係

むし歯のしくみを知っていますか?

とけた歯をだ液が修復するなんて意外だと思いませんか?

むし歯のない乳歯が美しい歯並びやぴかぴかの永久歯になっていきます。

子どものお口の成長過程は驚きでいっぱいです。

むし歯はうつる!

むし歯はむし歯菌によって引き起こされる感染症、つまり病気です。

生まれたての赤ちゃんにはむし歯菌はいません。

そのまま一生感染しなければ、むし歯にはならないのです。

しかしむし歯はかぜのウイルスのように、だ液によって人から人へと簡単にうつります。

そしていったんお口にすみつくと、ほとんどなくすことはできません。

すみついたむし歯菌は、ほかのさまざまな条件によって、大暴れしてむし歯をたくさんつくったり、あまり悪さをしなかったりします。

こうした性質に注目して、むし歯の予防管理は行われます。

食べると歯はとける!

むし歯菌はお口に入ってきた食べものを餌にしてねばねばしたかたまりをつくります。

このねばねばに含まれる酸が歯の表面をとかし、とけたところがだんだん大きくなるとむし歯になります。
食べているあいだは酸がでるので、歯はとけ続けます。

食事のたびに実は、ごくごく軽いむし歯になっているのです。

ところが食べるのをやめると、とけた歯はだ液の力で健康な状態に戻ろうとします。

このように、歯はとけたり元に戻ったりを繰り返していますが、間食の回数が多かったりすると、歯の修復がとける速さに追いつかず、治療が必要なむし歯になってしまいます。

お口とキッチンの汚れは似ている

むし歯菌が食べものを餌につくるねばねばは、バイオフィルム、つまり歯垢とよばれるものです。

キッチンのシンクは毎日洗わないとぬるぬるしますね。

あれもバイオフィルムです。

シンクのぬるぬるが水だけでは落ちないように、歯垢もうがいや歯みがきでは簡単に落とせません。

歯垢は放っておくとむし歯の原因になります。

歯科医院では特殊な機械、器具でバイオフィルムを破壊します。

この技術はPMTCと呼ばれていて、バイオフィルムを最も効果的に除去する方法です。

大人は3~4カ月ごとに、新しい乳歯が生えるなどお口の環境が著しく変わる時期の子どもは1カ月に1回、歯科医院でのクリーニングをおすすめします。