面倒がらずに良かった!(後編)

60歳代の女性の方が歯が痛いと来院されました。

検査したところ残念ながら治療法としては抜歯以外にありません。

当日の抜歯を強く希望されましたが、まずは急性症状抑え局所麻酔が効きやすいようにするのが先決でした。

また内科に通院中ということもあり、担当の先生に歯科治療の内容とその場合の注意事項や禁忌事項を問い合わせ、全身管理を依頼しました。

その結果、何と抜歯前10日、更に抜歯後7日間、中止しなければならない薬を何種類も服用されていたのです。

指示通りに抜歯することができ、血が止まらないこともなく無事に外科処置が終了しました。

そして、帰り際にこんな言葉を残していかれました。

「ごめんなさいね。私、歯の治療だからって全く簡単に考えていたの。

でも良かった。内科の先生に紹介状書いてもらわなかったら大変なことになっていたわね。本当にありがとうございました。」

100%安全な医療など存在しませんが、万全を期して治療を行なう事がいかに重要かを再確認できた出来事でした。